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日記より抜粋のコネタ




『クリスマス〜ハナビ編〜』 日向家の団欒




「ねぇ、ヒナタ姉さま。今年のクリスマスは家にいるの?」

クリスマスツリーを飾りつけるのを手伝いながら、ハナビは、期待に満ちた瞳でヒナタの顔を見上げた。

「うん。特に任務が入ってないみたいだから大丈夫だよ。ハナビの食べたいケーキ作ろうね」

にっこりと微笑み頷いたヒナタは、さり気ない表情を装ってハナビを見下ろした。

「クリスマスまで、あと二週間だね。ハナビは、サンタさんのプレゼント…何をお願いするの?」

「…サンタのプレゼント?」

ヒナタの質問に、ハナビはキョトンとした様子で小首を傾げた。
三つまでは、ハナビも『サンタさん』の存在を信じていたのだけれど、今ではもうクリスマスプレゼントの贈り主がダレなのか気付いていた。
他家では普通、父親が子供の寝ている間にプレゼントを枕元に置いていくらしい。

「プレゼント…ねぇ。う〜〜ん、父上が何か買ってきてくれる姿なんて想像できないよ」

ぽそりと呟きながら、ハナビは暫く考えこんでしまった。
毎年この時期になると、ヒナタがさり気なくハナビの意向を聞きだして、こっそりと買いにいっている事ぐらい見当がついていた。
どうせだったら普段手に入れられないモノの方がいいな…そう、ヒナタにしかプレゼントできないモノが。

「ヒナタ姉さま」

ニコッと満面の笑みを浮かべて、ハナビはヒナタの名を呼んだ。

「ん? なーに? 欲しいもの決まったの?」

ハナビの笑顔につられて、ヒナタもニコリと微笑を返した。

「うん。決まったよ♪」

ハナビは、ニコニコと嬉しそうに答えながら、頭をフル回転させた。
去年とは異なるプレゼントを、どうやってヒナタにオネダリしようか。




2004年12月09日(木)




すいぞくかん 水乃えんり 筆
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