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日記より抜粋のコネタ




少年ハナビ妄想設定のメモ書きなど…



 * * *



こんな『想い』気づかなければよかった…。

何度となく繰り返す諦めの言葉と、胸の奥に閉じ込めた微かな甘い痛み。
けれど、封じたはずの願いは、ひとりで抱えるには重すぎて…溢れる想いが、知らず吐息を熱くさせる。

こんな『願い』など、誰にも知られてはいけない…。


 * * *


いつの頃からだったか…ハナビは、姉のヒナタの姿を『弟』としてだけではないモノの眼で追うようになっていた。
ハナビが、まだほんの幼い頃から、穏やかで優しいヒナタを慕っていたのは事実。
ハナビがソレを望めば、淑やかな微笑みを浮かべ、そっと抱きとめてくれる暖かな腕と、柔らかな肢体。

そんな風に、仲睦まじい姉弟であった。

けれど、その関係以上のモノを望むようになったのは、いつの頃からだったのか…。

「…。姉さん……」

ヒナタの名を呼ぶ声が、知らず熱を帯びる。

彼女の華奢な肩が、一瞬ピクリと揺れ、

「なぁに? ハナビ…」

と、その唇で甘い声で、もうすぐ極上の笑顔で彼女は振り返るのだろう。

「…なんでもないよ。ただ…呼びたかっただけ…」

これからも告げるコトのない想い。
あと、ほんの数歩近づけば、あの愛しい女性に手が届くだろう。
柔らかな肢体を、この腕に抱きとめて…。

けれど、ソレは許されない願い。

『弟』の領域を、決して超えてはならないのだから。




決して、気づかれてはいけない。




2006年05月24日(水)




すいぞくかん 水乃えんり 筆
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